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    「モンスター」百田尚樹

    • 2015.05.18 Monday
    • 13:04
    今回も百田マジックにひっかかり、一気に読んでしまいました。リアリティがありすぎて「怖いものみたさ」という部分で続きが気になって仕方なくなり、私のようなマイペース読者にも読ませる作品であったと思います。
    この「女性の人生がジェットコースターのように堕ちていく感」はどこかで体験したような・・・。昔読んだ「嫌われ松子の一生」(山田宗樹著/2004年)を読んだときもこんな感じだったのを思い出しました。ストーリーは全然違うし、松子が堕ちていくのなら「モンスター」の主人公は確実に上がっていきます。それでも「危うさ」は常につきまとい、その美はいつかぼろぼろと音を立てて崩れ去ってしまうようなもろさを感じながら読みました。

    ただの「風俗で働いて美容整形して美とお金を手に入れた女性のサクセスストーリー」だけに終わっていないのは、顔のことをからかわれ嫌われ続けてきた半生のつらい体験、顔や容姿で序列が決まる女子同士の人間関係、壮絶ないじめなど人間の心の醜さをこれでもかと描き、男女の永遠のテーマでもある「容姿なのか内面なのか」といううさんくさいテーマに切り込み、主人公の初恋の思い出をからめながら複雑に描いている点が、ただのエンタメ小説ではなく、きちんと考えさせてくれる作品だと私は思いました。

    過去のすべてを否定してきた主人公でしたが、ラストはとても救いがある内容でした。本当の恋、女としての幸せを感じ、そして本当の自分と向き合うことができた、最後だけは彼女は幸せだったんではないでしょうか。

    すべてが共感できる内容ではありませんでしたが、「若さや容姿で得をする」というのは私も実感としてあります。若いときは実感はありませんでしたが、若いというだけで社会は甘く見てくれたこともあったかもしれません(私が若い頃は今ほど「若さ」が売りにはなっていなかった時代でしたが)。それに小さい頃からかわいがってもらったり大切に扱われてきた女の子は、本当に性格がひねくれていないです。これは今も感じていることです。男性もそういう人にはまるでお姫様に対するような接し方になります。世の中は本当に不公平にできています。

    主人公はおそらくそんじょそこらにいるちょっと憎めない不細工ちゃんではなく、本当に直視できないほどの正真正銘のモンスター的な顔だったのでしょう。想像はつきませんが、美容整形することで心が明るく前向きになるのなら私も自分なら同じようにすると思います。おそらく作者が取材に膨大な時間を費やしたであろう美容整形の医療も、「そこまでできるのか」と感心するばかりでした。美人になっての復讐劇はある意味とても爽快でした。
    愛される子に生まれなかった女性の苦しみを、よくぞここまで描いてくれたと思います。感服です。

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