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  • 2019.07.31 Wednesday

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    DVD「イニシエーション・ラブ」

    • 2016.02.17 Wednesday
    • 17:32
    実はこれ、文庫本で2回読みました。でも全然わかりませんでした。
    2回めのときネットで、ファンの人が作った種明かし的なサイトを見てようやく理解できたかに思えたのですが、結局2股かけてたってことであまりいい印象が残りませんでした。
    このたび三女がこの本を図書館で借りて読んでいたので、勉強の合間にいいかなと思ってDVDを借りてみました。

    三女と一緒に観たのですが、80年代のいろいろなアイテムが何から何まで懐かしく、思わず「こういうの流行ってたんよ〜」と語りながら観てしまいました。

    途中でバックに流れる当時の流行歌が過去にさかのぼったなとは思ったのですが、彼氏のタックンが「痩せるから」と言ったところ辺りでまんまと騙されちゃいました〜。ほかにもおかしいなと思ったところはいくつもあったのですが、これがラストですべてつながりました!ラストは痛快です。その後種明かしがすべて時系列に沿って巻き戻されました。

    「映像化は難しい」とずっといわれていたみたいですが、見事に成功していたと思います。監督さん誰だっけ?すばらしいです。
    あと前田敦子のキャラが際立ってました。正直「演技どうなんだろう」と思ってて、実際マユ(前田敦子)のぶりっ子(死語ですね)ぶりがうざいほどだったんですが、あのキャラじゃないとこのストーリーが生きてこないです。あれが意図した演技だとしたら「おそるべし前田敦子」です。この役はやはり前田敦子じゃないとだめだったような気がします。

    とにかく面白かった。おすすめです。

    「orange 銑ァ弭睫遏∞

    • 2016.01.29 Friday
    • 23:41
    ブックオフにて大人買い。映画化で話題になっていたのと、なぜか絵的にすごく惹かれたので・・・
    最近の少女漫画はほとんど読んでいなかったのだけど、これは読みやすくて昭和の女子でも全然違和感なく読めました。

    口実としては「三女の受験勉強の息抜きに」と思って買ったんだけど、久しぶりに胸きゅん(死語じゃない?)としています。とはいってもまだ全巻は読んでいないのですが・・・

    三女は家では勉強をしていることが多く(受験生なので当たり前ですが)、塾以外はどこにも連れて行ってないのでちょっとは気分転換をしてほしいなあという気持ちでいます。というか逆に少しはだらだらしてくれてもいいのだけど、私もなるべく勉強の話はせずおバカな話をするようにしていますが、なかなか笑ってくれませんね〜。きょうだいでもそばにいればいいのだろうけど、姉2人はすでに外で一人暮らし。でもLINEとかで三女をいろいろ励ましてくれているようです。

    そんな中、三女の首肩マッサージとホットパック(桐灰の「あずきのチカラ」を使用)、足のしもやけと足裏マッサージが私の唯一の仕事。あと寝る前の布団乾燥機。これらのことは長女や次女にはしてあげたことがありませんが、末っ子は得ですね。溺愛されてウザい分、結構親は至れり尽くせりしてくれます。

    あ、わが家にはもうひとり漫画大好き人間がいます。長女です。本も読むけど漫画も命です。長女のこの本に対する感想もぜひ聞いてみたいものです。

    「明日の子供たち」有川 浩

    • 2015.10.27 Tuesday
    • 18:13
    初・有川浩です。「図書館戦争」は最初の数ページで挫折しました。読めるかなあと心配したのですが、これはとても読みやすく、設定がイメージがしやすかったこともあり、数日で読めました。

    児童養護施設が舞台です。同じく施設が舞台だった「世界地図の下書き」(朝井リョウ著/集英社)に比べると、リアリティがあり身近に感じました。「世界地図〜」のほうは施設の中の生活、大人目線での子どもたちがほとんど描かれていなかったと記憶しているので、こちらは転職してきた新米職員が主人公ということもあり、元職員である私も感情移入しやすかったのかもしれません。

    この主人公みたいにテレビの番組などで児童養護施設を知って、かわいそうな子どもたちの手助けをしたいと応募してくる人も多いのでしょうか。理由はどうであれ、社会の中でも忘れられがちな子どもたちに少しでも光が当たるのならそれもいいのかなあと思います。私の短大の後輩が一時期同じところへ勤めていたのですが、その子がその後地元へ帰って再就職した施設(九州地方です)は、テレビ取材が入り全国放送されました。子どもたちが若い保育士と家族のように生活している様子が映し出されており、時には奮闘もあったり、まさに理想的な施設として描かれていました。
    現在は虐待や育児放棄などが増えているので、逆に施設のほうが安全だったり、社会的認知度も以前よりはあるのかもしれません。「施設に入れていれば死なずにすんだのに」という事例も少なくはないと思います。

    この本に出てくる「あしたの家」は大舎制の90人定員の施設なのでかなり大きな施設だと思います。高校生になると一人部屋がもらえ、自立に向けての訓練のようなものが始まります。主にこの高校生たちの進路を中心に話が進むため、小さい子どもたちがどのように過ごしているのかは描かれていません。ちなみに私が勤めていたところは、戦後の孤児院からの流れで作られたところで閉鎖的な施設でした。子どもたちは小学生から高校生まで5〜6人が同じ部屋で生活していました。あまり家庭的な作りではありませんでした。園長家族がとなりの敷地の大邸宅へ住んでいて、私腹を肥やしている感じでした。

    「あしたの家」では1か月ごとに誕生日会があってプレゼントがもらえたり、勉強を見てくれる学生ボランティアがいたり、高校生になるとアルバイトが認められていたり、まあ住みやすいというかいい施設に入ると思います。何より園長先生がとてもあたたかくていい人。こんな大人になりたいと思うような女性です。それに近くに非営利の「卒業した子どもたちの一時受け入れ施設」もできて、理想的な環境だと思います。

    そこで新米指導員の「慎平ちゃん」が、先輩の「和泉ちゃん」や子どもたちと向き合い奮闘していくのですが、ほのかな恋心とかベテラン職員の心の内とか子どもたちがここへ来た経緯とか、いろんなことがからんでいきます。最後に高校生の奏子が大好きな作家に「施設のことをもっと世の中の人に知ってもらうために物語にしてほしい」と依頼のお手紙を書く場面があるのだけど、これは実際に有川浩先生にお手紙を送った子どもがいるようで、そのことがリンクしているようです。たぶんそれからすごく綿密に取材をされたりいろいろな文献を参考にしていることがわかります。施設の生活はもっと子どもたちの裏の部分、暗い部分なども見えて心を痛めたことも数多くありましたが、この本はとてもすてきな物語として仕上がっています。

    ちなみに一時器世間を騒がせた「タイガーマスクがランドセルを送る話」には、確かにランドセルを始めとする学用品はいろいろな補助があり新品が買ってもらえるということで、園長先生が断る場面もありました。そう、生活面では何も困っていることはないのです。ただ家族や家という心の拠り所がないだけで。

    保育学生時代、「こども」というのは「子供」と書くと人(大人)にお供する、従うという意味があるので「子ども」と表示するようにと教わりました。今はそのようなことは言われないと思いますが、やはり「子供」と書くのは違和感があります。でもやっぱり「明日の子どもたち」よりは「明日の子供たち」のほうがしっくりくるかな・・・。でもこれを機に有川浩さんのほかの作品も読んでみようと思います。

    「女子の人間関係」水島広子

    • 2015.10.15 Thursday
    • 14:44
    これは本屋さんで興味を持ってずっと気になっていたのですが、買うまでには至らず、たまたま図書館で見つけて借りました。女性として生きていく上での「究極のテーマ」ですよね。特に私はずっと女の多い職場ばかりだったので、私にとっては永遠のテーマだと思っています。

    以下本文より抜粋(今後の参考のために書き出します)
    いわゆる「女」の嫌な部分
    ○「女の敵は女」とよく言われるように、自分よりも恵まれた女性に嫉妬し、その足を引っ張ろうとしたり、幸せを奪い取ろうとしたりする。
    ○裏表がある。表ではよい顔をしていても裏では陰湿。「それ、かわいいね」などと本人には言いつつ、裏では「ださいよね」などと言ったりする。
    ○男性の前で「かわいい女」「頼りない女」を演じる。
    ○他の女性を差し置いて、自分だけが好かれようとする。
    ○恋人ができると変身する。すべてが恋人優先になり他の女友達には「無礼」としか思えない態度をとるようになる。
    ○すぐに群れたがる。「群れ」の中では均質を求め、異質なものを排除しようとする。
    ○自分は自分、他人は他人、という見方をすることが苦手。自分とは違う意見やライフスタイルを持つ相手を尊重できず、「自分が否定された」とみなし、そういう人を「敵」ととらえる。
    ○感情的に「敵」「味方」を決め、自分をちやほやしてくれる人には限りなく尽くす一方、自分の「敵」に対しては、とことん感情的に攻撃する。その感情的攻撃は、多くの場合「正論」という形をとり、、主語は「私は」ではなく「普通は」「常識的には」など。
    ○陰口やうわさ話、つまり他人についてのネガティブな話が好き。
    ○ストレートに話さず、間接的で曖昧な話し方をして、「ねえ、わかるでしょ」というような態度をとる。そしてわかってもらえないと機嫌を損ねる。
    ○「お母さんぶり」「お姉さんぶり」をする。相手のことは自分が一番よくわかっている、という態度で、悪気はなくても、意見の押しつけをしたり決めつけをしたりする。

    著者は精神科医であり、全体的に見ると「女性の特性を知ってうまく女性とかかわることで、その人の中の「女」を癒し、女性ひとりひとりのエンパワーメントを生かし、自立した力強い存在になりましょう」ということのようです。それには考え方の変換、自分の「女」度を下げるという方法を説かれています。

    時代はどんどん変わってきていますが、基本的に伝統的に女性は「男性から選ばれる性」であるということです。確かに結婚や恋人、友人関係、職場の人間関係、どれをとっても女性をカテゴリーに分けるとしたら「選ばれた人」と「選ばれなかった人」に分かれるように思います。女性はすべて相対評価の中に生きていて、「相手から見て自分という存在はどういう意味を持つのか」に重きを置きます。社会の中で子どもの頃から女性的なものを多く期待されてきた女子は、いわばずっと傷ついてきたといっても過言ではないのです。そのことを前提の上、上記のような困った女性とかかわっていき、よりよい関係を築いていく方法を3つのステップで解説されています。

    ステップ 峇き込まれない」・・・物理的にも精神的にも巻き込まれないために、一歩ひいて考える。「女」の目で相手を見ない。
    ステップ◆崋分を守る」・・・「女」を見下さない、バカにしない
    ステップ「女」を癒す・・・相手の中の「女」を癒すことで、自分の中の「女」も癒される。

    確かに自分の中に「あの人なんかいやだな」「あの人がいるとなんか心がざわつくな」と思うときって、自分は「女」の部分が大きくなっているんだなあと思います。よくよく洞察していくと、結局は相手に対する嫉妬だったりするわけです。それは自分の中の「女」度が高くなっているから。年齢とともに自分が女であることはあえて忘却しているわけだけど、時々こうしてひょっこり顔を出すのです。「嫉妬」という形で。

    女同士の人間関係の中では「女」をスルーし、相手を尊重し、決して相手を否定せず、感じのよい人としてふるまい、適度な距離感を保つ、そうすれば相手のことも癒すことができ、あたたかい人間関係が築ける。う〜ん、できるかなあ。またまたこっちがものわかりのよい人間にならないといけないのか・・・という感じだけどね(苦笑)

    でも「女の敵は女」って最近ずっと思っていたことなのでドンピシャ。私って嫌な女だなあと思ったこと。妊娠中の女性職員がいつもしんどそうにしてて仕事もしょっちゅう休んでいて・・・産休に入る1か月も前から休みに入っちゃった。もちろん仕事のフォローはしたけど、なんだか応援したい気持ちになれなかった。「ムリシテコナクテモヤメタライイノニ」って思ってしまった。みんなに好かれて守られてきた人だから、どうせ育休明けても短縮とかで優遇されるんだろうなっていう気持ち、家が遠いから(地道で1時間ぐらい)って高速代まで交通費として出してもらえていること、正職なんだからちゃんと正規の時間で働いてほしいという気持ち、それができないのなら役職も手放しパートにおりてほしいとか、もうそういうの古い考えなんだろうね。私の妊娠中は誰も心配したりかばってくれたりしなかったこと、育休制度がなくて辞めざるをえなかったこと、妊婦には冷たい時代でした。今はマタハラとか言ってうかつなことを言えないけど「女の敵は女」ってこういうことだろうと思います。まあ誰にもこういう黒い気持ちは話していませんが、私は本当に「選ばれることが少ない」人間なので、嫌な女になっているのだろうと思います。こうして書くとかなりえげつないです。

    この本を読んで、嫌な女の部分がどうして作られたのか背景がわかり、それに対応する方法(3つのステップ)がわかっただけでもなんだかスッキリしました。とりあえず「女をおりること」「女の気持ちをスルーすること」で、自分の感情が気にならなくなればいいなあと思っています。

    水島広子
    サンクチュアリ出版
    ¥ 1,404
    (2014-04-10)

    「ソロモンの偽証 第三部法廷」 宮部みゆき

    • 2015.09.26 Saturday
    • 00:46
    ようやく読めました。なにぶん図書館で借りているので2週間で読めず、次の予約が入ってたりして返してまた予約して・・・をくり返しました。それで今回で完読。第一部、二部でも感じましたが「長かった」。でも今回は絶対最後まで読み切りたいと思ったし、読むのが苦痛だと感じたことはなかった。本当に丁寧に詳細に書かれているので、謎も残らずすべて解明されたすがすがしさはあります。ただやっぱりテーマがテーマだけに「重いものを背負った感じ」で終わりました。

    柏木卓也がなぜ自殺したのか、最後の神原証人の証言通りのやりとりがあったとしてもどうしても理解ができないでいます。現代でも自ら死を選ぶ子どもは後をたたないですし、いじめを苦にという場合もあるし、いじめ以外の理由でも「繊細で考え深い子どもが死に向かうことはある」ということは十分知っているつもりです。でもやっぱり私は凡人だから「死ぬこと」が漠然とこわい。ただ柏木卓也がその後生きていたとしても、生きにくい世の中だったのかもしれないので「死ぬな」とも「生きろ」とも言えない(どっちも同じか^^;)。

    正直「こんな賢い中学生はいないよ」とも「こんなに裁判を知り尽くしている中学生もいないよ」とも思いましたが、途中からそういう思いで読むのはやめました。もしかしたらこのぐらい賢い中学生はいるのかもしれない。それに法廷ものの読み物として、単純にすごく面白かった。背景が学校であること、中学生であることで、一層興味がわき楽しめたのかもしれません。本物の裁判は見たことはないけど、こんなふうにして真実をあきらかにしていくんだという手法もわかって、とても勉強になりました。それにひとりひとりの人物像、個々にまつわるエピソードや背景もしっかり書き込んであり、最後までぶれずに読むことができました。

    途中神原弁護人が検事側の証人になるあたりから先が気になり、一気に読みました。いろいろな伏線がつながっていくのがパズルがもうすぐ完成するときみたいにわくわくして面白かったです。

    実は第三部を読む前に映画のDVDの前編をレンタルして観ました。なので第三部はそれぞれの登場人物を思い浮かべながら読んでしまいました。小説では弁護人助手の野田健一が気になっていたのですが、まえだまえだのお兄ちゃんのほうでちょっとイメージが違いました。柏木卓也と神原和彦は憂いを秘めた感じの子たちでかなり気になってます。主役の藤野涼子ちゃんはイメージ通り、聡明な感じ。

    これからようやくDVD「ソロモンの偽証後編」を観れます。絶対読んでから見たかった。楽しみです。

    「わたしを離さないで」カズオ・イシグロ

    • 2015.08.27 Thursday
    • 01:18
    図書館で手に取り、どうにも気になったので借りて読みました。作者の名前は聞いたことがありましたし、日本人みたいな名前ですが、イギリスの人だということも何となく知っていました(以前村上春樹氏が紹介していたことがあったからかも)。

    「介護人」「提供者」という言葉は最初に目にしましたが何のことかはわからず、予備知識も何もないままに読み始めました。途中で「もしや・・・」と思い始め、後半で「やっぱり・・・」と絶望的な気持ちになりました。

    主人公キャシーが幼少期から青春時代までを過ごしたヘールシャムという施設(寄宿舎)。舞台がイギリスということもあって、どこかのどかで牧歌的なイメージでした。そこで語られる日常は本当にどこにでもある子ども時代で、さまざまな思いを抱えながらの生活が静かな口調で語られていきます。ただ違ったのは、週1回の健康診断や図画工作に力を入れた授業、そして保護官と呼ばれる大人たちのどこかぎすぎすした違和感のある言動がありました。そして思春期になると「赤ちゃんが産めない体」だという真実を知ることになります。

    キャシーがそのころ「わたしを離さないで」という曲のカセットテープを聞きながら、赤ちゃんをあやすように何かを赤ちゃんに見立てて体を揺らして遊んでいた。それを遠くから見た保護官がそのカセットテープを隠してしまった。このエピソードは強烈だった。キャシーの母性の表れともいえるこのできごとは封印されてしまうのだが、とてもせつなく心に残りました。

    やがて思春期を経て大人に近くなると、施設を出てシェアハウスのようなところで共同生活を始めることになる。社会との接点も生まれる。そこには普通の人間と同じように、遊びに行ったり恋をしたりセックスをしたり車を運転したり、本当に何でもできる。青春を謳歌している。しかし現実の猶予はどんどん迫ってくる。

    彼らはある運命を背負って生まれてきた。ある意味科学が生み出した産物。でも彼らを作り出した人間は大切なことを忘れていたのではないだろうか。彼らにも「心」があることを。

    生まれてきた方法や環境は私たちと違うかもしれない。でも人間である以上「心」がある。感性がある、性欲だってある。そのことに目をつむることができるのか。彼らは運命に逆らわず、それを受け入れていく。逃げられないのか、彼らの遺伝子の主はどこで何をしているのか、あちら側の世界のことは何一つ語られない。

    これはフィクションであり、想像の世界のできごとだ。でも決して空想の小説とは思えなかった。もしかしたらどこかに本当にこのような世界があるのではないかと思わずにはいられないリアルさがあった。いや、いくら科学や文明が発達しても、このようなことが現実にあってはいけない。

    メッセージ性はなく、ただ運命を受け入れていく彼らが淡々と描かれる。ラストで昔の保護官に会いに行き、ヘールシャムでの謎がいろいろ解かれることになる。設定が気になるあまり、数々のエピソードや彼らの人間らしいかかわり、迷い、受容していく様子など、うまく読み取ることができなかった。もう一度読むのはしんどいけれど、もし読む機会があったら主人公たちの気持ちに寄り添いながら読んでみたいと思います。

    「気にしない練習」名取芳彦

    • 2015.08.09 Sunday
    • 10:52
    本屋さんの店頭で平積みされていたのを購入。題名に引かれたのと、見開きごとに1テーマだったので読みやすそうだなと思って。

    裏表紙には「減らそう、手放そう、忘れよう」〜人生には、気にしないほうがいいことが、たくさんあります。でも、「気にしない人」になるには、ちょっとした練習が必要。本書では、うつうつ、イライラ、クヨクヨ…から抜け出し、晴れ晴れとした毎日をつくるための心のトレーニング法を、仏教的な視点から紹介します〜と書かれてあります。

    筆者はお坊さんであり元結不動密蔵院の住職でもある名取芳彦(なとりほうげん)さん。仏教の視点で「人生を難しくしないためのヒント」をわかりやすく書いています。書いてあることはまあ目新しいことではなく当たり前のことなのですが、どうしても人間には感情があるので、そっちを優先しがちなのです。でもあえてその感情に目をつぶることで、気持ちが楽になることがあるのだと改めて発見した次第です。

    今この本を手に取ったのは、たぶん私の心がこういうものを求めていたんだなあと思います。「気にしない」というありふれた考えが、今私の中でとても重要なことになりつつあります。

    混沌としたカオス状態の介護の職場。いろんな職歴から来る「ここしか行き場のない人たち」、ゆるくて目標のないその場限りの楽しげな雰囲気、仲良しグループを作りたがりの女性職員、社会人としての常識がなくチャラいけど人気者(仕事も適当でいい加減)、いつも公の場でこそこそ話をしている人たち、誰と誰が裏で通じているか把握できない、誰かの意見で誰かが祀り上げられる、誰かのフィルターで見たことが影響力を持ちいつしかみんなの意見になる、みんな仲良く和気あいあいと見せながら、裏では悪意に満ちた大人数の職場。もちろん自分もそれに含まれている。人に合わせ、自分の意見や正しいと思うことも言えず、鬱屈とした日々。

    それでもまだ辞める勇気は出ない。いろいろ求人情報とかは見ているけど、この年になると新しい職場に移る勇気が出てこない。よほどいい条件ならまだしも、介護の職場はどこも同じで、どこへ行っても先輩風吹かしてくる人はいるだろうし、8年間我慢してきて得た今の立場(ある程度の経験があるという見解)を捨てるのは惜しい気もする。少なくとも悪意をもろに受けることは少ないので、あえてほかの職場に移ってまた「新人職員」をやる気力がわいてこない。数少ないけど本音を話せる人たちと縁がなくなってしまうのも、少しさみしい。

    とりあえずは出勤さえすればお給料はもらえる。だったらいやなことは見ないようにして、見ても気にしないようにして、自分のやるべきことだけをしていたらいいのではないか。もう「つながり」は気にしないようにして、あえてみんなと仲良くする必要もないのではないか。

    すべては「気にしない」ことだ。

    こそこそ話が何のことなのかも気にしない、人の私生活をわざわざ聞いてあげる必要もない、とりあえず仕事のときは集団でかたまらないように自分で身の振り方を調整する(仕事を思い出したふりをしてその場を離れたり・・・とかね)。理不尽なことがあっても「そんなもんだ」「自分の人生には関係ない」と割り切る。

    この本を読んで「気にしない」という練習を自分に課している。意識すれば、「自分の感情に蓋をし」て「起こっている出来事に対してあえて気にしない」でいることができているような気がします。

    「ナイルパーチの女子会」柚木麻子

    • 2015.08.03 Monday
    • 11:53
    これも中3の三女が図書館で借りていたものを拝借。今まで「本屋さんのダイアナ」とか「ランチのアッコちゃん」とか借りていたので、その流れで(話題にもなっていたしで)借りたようですが、娘の感想は「よくわからんかった・・・」。確かに読んでみて、途中からずいぶんグロテスクになってきたり、家族や友達との心理的な問題・描写も多く、題名や装丁に反してドロドロとしてきてあまり軽快なストーリーとはいえなかった。私も期待した展開ではなかったので、何度も挫折しそうになりました。

    大手商社に勤めるバリバリのキャリアウーマン栄利子(30才)の唯一の楽しみは、ブックマークしているブログ「おひょうのダメ奥さん日記」を読むこと。その内容から作者のおひょうが近所に住む主婦の翔子であることを知り、2人は友達になれたかのように見えたのだけど、栄利子の言動がだんだんストーカー化してくることで、その関係は壊れてしまう。

    栄利子は年収も多く都内の実家で両親と何不自由なく暮らしているにもかかわらず「女友達ができない」ことに強いコンプレックスを持っている。最近の流行で「女子会」というのがもてはやされ、彼氏を作るうんぬんよりも、女子同士のかかわりの中で輝く自分に憧れを抱いている。

    私もずいぶん長く「女子」(あえてこの表現を使わせてもらう)をやっているけど、やっぱり女子の中で輝く人、中心でいられる人、友達が多いと思われる人って大勢の中の限られた人であり、うまく話題を提供できたり、人を話に引き込むのが上手だったり、何かカリスマ性というか「この人についていたら大丈夫」と思わせる何かがある人だと思います。このいい意味でリーダーシップが取れるタイプの「ボス」とそれを慕うその他大勢で成り立っているのが女子のグループだと思うのですが、違うかな?

    でも悲しいかな、女子というのは「ボッチ」(ひとりぼっちでいる人、友達のいない人)を避ける傾向があり、自らもボッチにならないように細心の注意を払っています。そして女子同士で楽しそうにふるまうところを周りにアピールすることが、実はいちばんのステイタスだったりするわけです。特にいちばん影響力のある
    グループにいればいるほど、その周りに対する圧力は強くなっていくような気がします。

    やはり女子同士の難しさの根本的なものは「嫉妬」「妬み嫉み」だと思うのですが、この物語ではあまり感じなかったかも。それよりも相手を独り占めしたいという一方的な独占欲が主に描かれていたような気がします。それって、たぶん小学生レベルのものですよね。だから途中から栄利子が翔子に言ったりしたりしていることや、翔子が同じく主婦のカリスマブロガーNORIにしていることを読むと、何となく「どうした!?頭おかしくなっちゃったのか」と思わずにはいられませんでした。たぶん大人の女子ってもっとしたたかでわかりにくいものです。周りにはどこまでもいい人を演じながら味方を増やしていき、さらに頑丈な壁を作った上でターゲットを攻撃したりします。取り巻き、集団、ターゲット、これらの言葉を抜きにしては女子の人間関係は語れないでしょう。

    この「ナイルパーチの女子会」は、むしろ女子の人間関係ではなく1対1のこじれた関係を描いているのだと思います。「友達がいない」ということがさも本人に原因・落ち度があるように書かれています(自己中とか人の気持ちがわからないとか)。また家族との関係もかなりのページ数を割いています。でも私が思うのは、「友達がいない人」って「損得勘定ができない人」とか「傷つきやすくて自分に自信がない人」とかが多いと思うのです。そういう視点で見ると、栄利子も翔子も違うタイプです。栄利子などはキャリアもあるのだからあえて「友達がいない」ことなんかにコンプレックスを持つ必要はないと思うし、また全く違う畑(主婦)で年齢以外の共通点のないの翔子のどこに興味を惹かれたのかよくわからない(お説教したかっただけ?)。

    あと派遣社員で女子力が高く、エリート社員杉下とできちゃった婚で社内結婚することになった真織。彼女が「女友達に囲まれていちばん幸せな立ち位置」として描かれているのだけど、彼女の思考も全然共感ができませんでした。女の友情を優先するあまり「そこまでする?」と何度も思いました。ロールモデルとしては極端すぎます。ラストの豹変は怖すぎる^^);

    ということで、まとめとしては「もっと腹の探り合い的な複雑な女子の人間関係あるある」を期待していたわけなのだけど、「友達=相手のことをなんでも思い通りにしたいストーカー的な人」の話だったということで少し残念でした。でも心理描写は鋭くて、付箋を貼りたいところがかなりたくさんありました。あとミステリー小説として読むと面白いのかもしれません。

    「サラバ!(下)」西加奈子

    • 2015.07.08 Wednesday
    • 15:36
    下巻はまさに激動の時代を感じました。主人公歩の大学生から37才の現在までが描かれています。背景も阪神淡路大震災、地下鉄サリン事件、新興宗教、そしてアメリカ同時多発テロ、「アラブの春」と呼ばれたエジプトの革命、東日本大震災、原発事故・・・。そのどれもが歩やその家族にかかわっています。その家族も、父母の離婚、父親の出家、母の恋愛・再婚、祖母や矢田のおばちゃんの死、姉のその後の動向など、大きく環境が変わってきます。

    東京で大学生になり、初めていびつだった家族関係から離れて自由になった歩。何度目かのモテ期を経て、自分の道を模索しようとする。自分の体裁を気にして常にクールにふるまう歩。何もしなくても彼女も仕事も手に入っていく。そこでちょっと調子に乗ってしまったんだな、たぶん。その後の展開はまさに青天の霹靂、私からしたら転落人生そのもの、「それはないだろう〜」と私まで泣きたくなりました。

    それとは対照的に、同じく父親と東京に出てきてカリスマ性を身に着けていく姉の貴子。「サトラコヲモンサマ」の崩壊で信じるものを失った姉でしたが、普通ならありえない設定で世間から注目されることになります。「マイノリティ」であり続けようとするこの姉の生き方は理解不可能で、全く何をめざしているのかわかりませんでした。私なら同じきょうだいとして絶望してしまうのではないかと思えました。

    その姉も外国を旅するうちにようやく自分に合った環境を見つけます。今までの人生、何か生まれた場所を間違えていたのか、日本では生きにくくても外国なら水が合うということもあるのでしょうか(日本では個性が強すぎたけど、世界ではどこかに受け入れられる土壌があるのかも)。姉は落ち着き、家族の絆も回復していき、姉なりに家族のことを考えるようになります。歩のことも心配し「あなたが信じるものを、誰かに決めさせてはいけないわ」と説きます。姉のいわんとすることは「自分が信じられるものを見つけなさい」もしくは「自分のことを信じなさい」という意味なのかなあと個人的には思いました。確かに自分の思想の中に「信じられるもの」「自分の指針」を持つことは自分の核となるものであり必要なことではないかと抽象的ながら考えました。

    でも「いや、待てよ。お前には言われたかねーよ!」って私なら思いますね。だって生まれてから今までずっと姉に振り回されて、姉のせいでこういうアイデンティティーが形成されたというのに!

    しかし歩にも変化が訪れます。ヤコブとの再会は本当に感動的で、涙が出そうでした。目の前にナイル河が広がるシーン、世界一の河川を私は映像として想像できなかったけど、このシーンのために今までがあったのかと思うくらいでした。
    ラストもよかった。作者の作品を読むのはこれが初めてなのだけど、この作品に対する意気込みというか、魂をこめて書かれた作品だということが伝わってきました。後半からラストにかけて圧倒されっぱなしでした。左足から生まれた「僕」が、新しい一歩を左足から踏み出す。よかったです。


    追記:作中主人公が影響を受けた音楽や映画、小説などたくさん出てくるんだけど、ほとんどが洋もので少しもかじったことのないものばかりで少し残念!「ホテル・ニューハンプシャー」も読んだことも観たこともない。機会があったらいつか触れてみたい。
    西 加奈子
    小学館
    ¥ 1,728
    (2014-10-29)

    「サラバ!(上)」西加奈子

    • 2015.07.07 Tuesday
    • 10:05
    三女が図書館で借りていたのを拝借。話題になっていたので興味を持って読みました。直木賞受賞作ということです。

    父親の仕事の都合でイランで生まれた主人公、圷歩(あくつあゆむ)。上巻は彼の幼少期から高校生までのことが描かれています。
    イランやエジプトなどでの海外駐在での暮らし、とっても面倒くさいお姉さんと母親、母親の実家のある大阪での生活、親せきやそのまわりの不思議な人たち、そして歩と深くかかわっていく友だち・・・。とりあえず歩にいちばん影響力があったのは4才年上の姉・貴子。個性的で芸術的でどこか発達障害が疑われるような面もあり、幼いころははちゃめちゃな感じのトラブルメーカー。その姉の陰で目立たないように気配を消すように常に「いい子」で居続けた歩。それでも思春期になるにつれイケメンな男子に成長し、それなりの吸引力を持ちながら大人になっていくのですが、確かにこんなお姉さんがいたら面倒くさいだろうなー・・・と同情してしまうエピソードがかなりありました。途中で母親も壊れてしまうし、結局理由はわからないものの父と母は離婚し、家庭崩壊していくのですが・・・。

    それでも歩のまわりの人がとてもあたたかい。駐在時代のお手伝いさん、のんびりして適当なイランやエジプトの人たち、初めて心をかよわせた友だちヤコブ、母の実家の祖母や、後々影響を受けることになる文化的思考を持つ夏枝おばさん、そして「サトラコヲモンサマ」の教祖(?)となる矢田のおばちゃん、高校で朋友となる須玖・・・。どの人たちも姉のことも含めて歩と深くかかわっていくことになり、そんな魂がふれあうようなあたたかい関係が持てることをとてもうらやましく思いました。

    圷歩という男子がいかに圷歩(後半は両親の離婚で母の旧姓になりますが)という人間になるに至ったかが深く描かれてとてもおもしろかったです。小中学生時代同級生に「帰国子女」がいましたが、私も当時は「外国に住む」ということにすごく憧れて「かっこいいな〜」と思っていました。彼らは特別な存在でした。そういう海外暮らしが垣間見られたのも興味深かったです。

    下巻は大学時代を経て大人になっていきます。お姉さんがどうなっていくのかも気になりますが、楽しみに読みたいと思います。
    西 加奈子
    小学館
    ¥ 1,728
    (2014-10-29)

    PR

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